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ヒデムラ

妻が運営している「ご当地ですよ!」というサイトの中に、百名城のコメントを書いてくれと頼まれたことがきっかけで、ブログを始めました。
元々好きだった日本各地の城を実際に一つずつ訪ねる旅は、時間がかかることですが、思わぬ楽しみとなっています。

ヒデムラの百名城
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川越城 ~原野の巨城~

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北条早雲がまだ伊豆一国の主であったころ、
関東の原野では、二つの関東管領を名乗る勢力が
しのぎを削っていた。

上州の山内上杉氏と武蔵の扇谷上杉である。

・・・・ 古来、都びとが作歌の上でおどろいてきたように、
     ここは一国おしなべて野であり、月が草から出る。
     早雲も感動をあらたにし、・・・・


箱根の坂〈下〉 (講談社文庫) /司馬遼太郎 より抜粋

と、言われる坂東の原野で、互いの勢力をぶつけるわけでもなく
謀略に謀略を重ねる抗争が続いていた。

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そんな関東原野に威勢を誇っていたのが、川越城であった。
関東ではぬきんでて大きな規模であった。

その川越城には扇谷上杉がこもっており、
北への領土拡張を狙っている。

そこへ、北条早雲が援軍として川越城へ入城した。
早雲は想った。この原野での戦術を身に付けねば...

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後の北条による関東制覇の偉業はこのときから
始まっていたのかもしれない。
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伏見城 ~最後の役目~

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鳥居元忠家康に十三歳から仕え、
主君とともに幾多の苦難を
乗り切ってきた自負がある。

太閤秀吉亡きあと、東西手切れとなり、
城代鳥居元忠が守る伏見城
西軍の軍勢が取り囲んだ。

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それ以前にこのことを予測していた
主従は最後の別れを涙ですごした。

元忠自身、これが主君家康への
最後の役目であることも承知していた。

四万の西軍による攻撃が開始されたが、
討ち死にを覚悟した城は容易に落ちない。

しかし、伏見城内から内応者が出、
元忠が籠もる本丸に敵が殺到してきた。

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そんな中、元忠は自ら最後の奮戦をし、
四たび敵を退け、味方から感嘆の声が漏れる。

が、とうとう元忠にも最後の時が来る。

・・・・ 「鳥居彦右衛門元忠どのとお見受け申す」
     中略
    「あわてくさるな。名を名乗ってからかかるものじゃ」
    「はッ。雑賀孫一郎重朝でござる」
    「誰の家来じゃ。主人の名から先にいえ」 ・・・・


徳川家康〈17 軍荼利の巻〉 (山岡荘八歴史文庫) より抜粋

鳥居元忠、最後の最後まで敵に対しても
守り役の役目忘れず。

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伏見城 ~陽の役者、陰の役者~

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闇に紛れてその男はやって来た。
伊賀の忍び、葛籠重蔵
最後の伊賀者である。

故郷、伊賀の里を織田信長によって
滅ぼされた恨みをその後継者である
秀吉に向けたのである。

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現世に君臨する秀吉
闇の世界に生きる重蔵。

ついに欲望渦巻く伏見城で両者は合間見えた。

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ふいをつかれた秀吉であったが、
さすが大地の王者らしく振舞おうとするが、
今は漆喰の夜。
葛籠重蔵のほうに分があった。

伏見城の黄金の天守閣は、
昼でこそその威容を誇るが、
闇夜では、その威容がかえって不気味さを
かもし出している。

両者、少しでも相手より上段に立とうと
緩急自在の弁舌を繰り返した。

それに飽きた重蔵が、
ついに秀吉に手をかけた。

・・・・「とんだ、茶番だったな、秀吉」・・・・
                       
   梟の城 (新潮文庫) /司馬遼太郎/より抜粋


重蔵が重圧に負けた。
と、見るか、最初から秀吉の負けだったのか。
それとも夢だったのか。
歴史に残らぬ出来事であった。

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