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妻が運営している「ご当地ですよ!」というサイトの中に、百名城のコメントを書いてくれと頼まれたことがきっかけで、ブログを始めました。
元々好きだった日本各地の城を実際に一つずつ訪ねる旅は、時間がかかることですが、思わぬ楽しみとなっています。

ヒデムラの百名城
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上田城 〜軍事芸術家のひとり舞台〜

上田城 その2

どうしたらここまで巧く出来るのか?
再び真田軍が徳川軍を翻弄した。

関ヶ原での大会戦が行われる直前に、
上田城で真田昌幸、幸村父子がまたしても徳川軍に
戦いを挑み、関ヶ原に向かうはずの徳川秀忠軍を足止めした。

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この有名な下りは様々な小説に出てくるが、
ここでは真田太平記〈7〉関ケ原 (新潮文庫)から引用したい。

家康本隊と別行動を取っていた秀忠軍三万八千は信州小諸に着陣した。
ここから上田城で東軍に反旗をひるがえす真田昌幸へ、
「開城せよ」と使者を差し向ける。

信濃国分寺で昌幸は、長男で東軍に汲みしている真田信幸と本多忠政と交渉する。
「上田城を明け渡す。清掃のために三日欲しい」と昌幸。

若い本多忠政は、その言葉に興奮し身を乗り出す。
しかし、父昌幸の本心を見抜いている信幸は無表情でうつむいている。
以前、第一次上田合戦で徳川軍は真田軍に大敗を喫したことで、
今でもうかつに攻め掛かるのを恐れているのである。

果たして、約束の期日になっても城を明け渡す様子がない。
しびれを切らした秀忠が偵察隊を上田城に向かわせると、明け渡しどころではない。
まさに戦の準備が完了しており、真田の六文銭が翻っている。

激怒した秀忠が使者を使わせると、「攻めるなら攻めて見よ」と昌幸。

翌朝、秀忠軍が支城の砥石城に攻め寄せる。先鋒は真田信幸である。
守るのは、その弟の真田幸村
だが幸村は山腹の道を辿って、城を明け渡して上田城に籠もってしまう。
信幸は苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。

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さて、真田兄弟の微妙な駆け引きを知らない秀忠本陣は、
砥石城を手に入れられたことに気をよくして、
ここに押さえの兵を入れ、秀忠本軍は美濃へ急ぐ。

しかし、ここからが真田兵法の真骨頂。
先を急ぐ徳川軍に芸術敵な挑発をしかけ、
敗走を装いつつ罠のある方向へおびき出す。

挙げ句のはてには、徳川主力部隊が挑発に引っかかり、
手痛い損害を受けることになった。

再び小諸に本陣を戻した秀忠軍に、急ぎ美濃に入れと言う
家康からの使者が本陣に来た。

しかし、真田の奇襲を恐れた秀忠軍は押さえの兵をおき、
さらに、大軍の行軍には不向きな山道で遠回りし、
結果的に関ヶ原の合戦に間に合わなかった。

街道をゆく (9) (朝日文芸文庫)には以下のように書かれている。、

   <戦術の本道は、戦う前に敵を圧倒できるだけの兵力、火力、兵糧を
    集中することだが、ただし軍事における日本美はそれとは異なり、
    寡(か)をもって衆(しゅう)に勝つという曲芸じみたものをもって
    正統とする風があった。が、そのくせ明治以前の戦史では
    その好例はすくなく、せいぜい源義経、楠木正成、
    それにこの真田昌幸の例があるくらいである。

    この三人の例のなかでも、昌幸の場合は知能的にもっともすぐれているといっていい。
    かれは義経や正成と同様、政略や調略を用いて敵を腐敗させたり、
    利をあたえて敵の有力者を寝返らせたりするような手を用いず、
    徹底的に軍事的で、その巧緻さは、それを芸術的に楽しんでいるのではないかと
    思わせるほどだった。 〜 以下省略>


昌幸はその後、高野山の九度山で死ぬが、もっと暴れあせてあげたかった。
しかし、それは息子の幸村へと引き継がれていくことになった。

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