
大政奉還後、京都を戦慄させた新選組も
行き場を失い、崩壊寸前だった時期に、
思いもよらぬ情報が入った。
幕府瓦解後の甲州百万石が置き捨てになっている。
甲府城が手に入る。

近藤勇、勇躍して甲府城攻撃の軍を起こした。
その名も「甲陽鎮撫隊」。
・・・・かつてはこの道を武田信玄の軍勢も通って関東に入り、
豊臣秀吉の軍勢も通って八王子を攻めたはずの道で、
あるいは百年前、江戸を発った近藤勇の軍勢がここをのぼり、
大砲を引きながら甲州(山梨県)へむかった。・・・・
ワイド版 街道をゆく〈1〉甲州街道、長州路ほか
/司馬遼太郎/朝日文芸文庫 より抜粋

甲府城へ向かう近藤勇の心境はどのようなものだったか。
これが最後の進軍になるとは思っていなかっただろう。



