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ヒデムラ

妻が運営している「ご当地ですよ!」というサイトの中に、百名城のコメントを書いてくれと頼まれたことがきっかけで、ブログを始めました。
元々好きだった日本各地の城を実際に一つずつ訪ねる旅は、時間がかかることですが、思わぬ楽しみとなっています。

ヒデムラの百名城
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海津城 霧を揺らす

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武田、上杉の主力がついに川中島で雌雄を決する時がきた。
双方とも敵の大将、武田信玄あるいは
上杉謙信の首を目指すことになるであろう。

上杉勢は意表をつき、妻女山に上り、
武田勢は川中島に本陣を置き、長対陣が続いた。

kaizu_6.jpg

川中島一帯には霧が出る。
信玄は地元に住む農民から、
今晩から明日の朝まで一年に一度の
濃い霧が発生することを聞く。

上杉勢を討つ絶好の機会到来。
信玄は武田勢の半数以上の軍勢で、
妻女山の背後から奇襲をするという
計略を指示した。

kaizu_7.jpg

霧の中を武田別働隊が隠密行動に出る。

しかし、同じく謙信も
今夜から濃い霧が発生することを
察知しており、すでに妻女山を全軍で下り始めていた。

物見のその報告に動揺する武田勢。
伝騎を飛ばし、その動揺を抑えると同時に
上杉迎撃の指示を出す信玄。

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いよいよ大合戦が始まる。
伝騎が散り、しばらくの静寂のあと、
武田各部隊の移動する騒音が響いた。

・・・・その騒音は大合戦を前にした大軍団の
    武者ぶるいのように霧を揺すぶった。・・・・

武田信玄 林の巻 (文春文庫) 新田次郎 より抜粋




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海津城 布石の城問答

kaizu_1.jpg

上杉と武田の北信越でのぶつかり合いが
激しさを増してきた頃、高坂昌信と山本勘助は
川中島周辺に城が欲しいと考えた。

信玄の許しを得て昌信、勘助は
来たるべき上杉との大合戦を前に
綿密な打ち合わせを重ねていた。

kaizu_2.jpg

切れ者の昌信と勘助。
のちの海津城を築城する目的について
問答を繰り広げていた。

高坂昌信は、武田勢の苦戦を予想し、
武田一門が討たれても、勝頼だけでも助かるように
海津城が必要だという。

しかし、山本勘助は少し違った。
武田が勝つに決まっている。
大激戦の後、敗走する上杉勢の横腹に突入すべき
新手の小部隊を入れておく城だと主張する。

kaizu_3.jpg

そして、海津城が完成した。
信玄を迎え入れた昌信と勘助は、
その第一声に耳を疑った。

・・・・「月にいいだろうな、月に。
     毎年ここで
観月の宴を張ることにしたらどうかな」・・・・


風林火山 (新潮文庫) /井上靖 より抜粋

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川越城 美しき使者

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北条氏康が当主となった関東北条氏。
関東管領上杉氏、関東公方の足利氏、
甲斐の武田、駿河の今川に包囲網を敷かれ、
関東には暗雲が覆う。

関東北条氏の最北端、川越城は地理的にも
戦略上最重要な城だった。

その川越城に、北条の最強軍団を率いる
北条綱成が入った。

kawagoe_6.jpg

小田原城からは北条本体を率い、
北条氏康が出陣した。

しかし、川越城はすでに八万の大軍に包囲され、
身動き出来ない。

さしもの北条本軍も手も足も出せず、
時がたっていった。

北条氏康は策を用い、わざと小戦に負け続けた。
そして機を見て、籠城中の川越城に使者を使わそうととする。
しかし、敵連合包囲陣を突破するのも至難のわざ。

そこで、北条綱成の弟、綱房が買って出る。
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綱房は、兜を脱ぎ、総髪を垂らし、
「匂うばかりに凛々しい若武者」となり、
敵包囲陣の中央を駆け抜ける。

敵は綱房のあまりの美しさと大胆さに、
唖然とするばかり。

・・・・一陣の風が、美しい若武者を運んでいるように見えた。・・・・

北条綱成(つなしげ) (PHP文庫) /江宮隆之 より抜粋

見事川越城に入城した綱房が兄綱成に
氏康の夜襲の策を伝えた。

そしてまた、氏康の元へ返事を伝えに戻る。

またしても美しい若武者に対し、
敵はほれぼれとし、手出しをひかえた。

この勇気が、世に三大奇襲戦と呼ばれる
「川越夜戦」を大成功に導いたのである。

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